所有者不明土地を解決するための民法・不動産登記法等の改正案が令和3年3月5日閣議決定されました。
前回は、新たに所有者不明土地を生じさせないことを目的とした民法改正のうち、相続登記の義務化について解説しました。
今回は、同じ改正法で定められた、所有権登記名義人の住所や氏名の変更登記の義務化を中心に改正点について留意すべきポイントを解説していきます。
住所氏名変更登記の未了による所有者不明土地と変更登記の義務化
所有者不明土地の発生原因の34%が、住所氏名変更登記の未了を原因とすることが判明改正法では、所有権の登記名義人の氏名もしくは名称または住所について変更があったときは所有権の登記名義人は、変更があった日から2年以内にその登記を申請しなければならない。
となりました。これを怠れば5万円以下の過料に処せられます。
ただし、住所が明らかにされることにより、人の生命もしくは身体に危害を及ぼす恐れがある場合や、心身に有害な影響を及ぼす恐れがある場合には、所有者の申出などにより一定条件に
該当する場合には登記住所は公開されません。
所有者不明土地対策として
① 相続登記と住所変更登記を義務化する制度
② 管理困難な相続土地を国庫に帰属させて管理放棄地をなくす制度
③ 他の共有者が不明な共有地の管理や利用を促進させる制度
以上、3点が同時に創設されました。